
自ら燃える脳科学
この回の書き起こし
あのちょっと想像してみて欲しいんですけどF1マシンがサーキットを走る姿ってありますよねええものすごいスピードで駆け抜けるあのF1ですよねそうですそうですであの爆発的なスピードを出すためにもしドライバーがですねガソリンじゃなくて一時的に急加速するニトロブーストのボタンあれだけを押し続けて全レースを走り切ろうとしたらどうなると思いますかまあ最初は信じられないくらい速いでしょうけど多分3周目くらいにはエンジンが完全に焼き切れてしまいますよねですよねただの鉄屑になっちゃうはずなんですでも実は最新の脳科学によればこれって多くの人がリーダーとしてチームを引っ張るときに無意識に自分とかチームの脳に対してやっていることと全く同じなんですよプレッシャーを燃料にして結果を出すみたいなことってビジネスの現場では一種の美徳のように語られてきましたからねええそうなんですでもそれがなぜチーム全体を静かに疲弊させて最終的にパフォーマンスを落とす原因になっているのか今回の深掘りではこの焦りやプレッシャーというニトロエンジンから抜け出してどうすれば持続可能で強力なエネルギー源を手に入れられるのかそのメカニズムに迫りますリスナーのあなたもリーダーとしてチームの指揮をどうやって高めればいいのか悩んだ経験があるんじゃないでしょうかそうですね今回はただの精神論で終わらせるつもりはありません脳科学の視点からモチベーションやレジリエンスのメカニズムを解き明かしていきますどうすれば自分自身とチームの潜在能力を限界突破させられるのかさあ深掘りしていきましょうよろしくお願いしますまずはですね脳磨きの提唱者である岩崎一郎さんご自身の過去の経験からひも解いていきたいんですがかつて一郎さんはまさに先ほどのニトロエンジンで走り続けていた時期があったそうなんですよなるほどFF状態と呼ばれる強いストレスや仕事に燃えていた時期ですねそうなんですでも一郎さんによればそのピリピリしたFF状態って自分自身を消耗させるだけじゃなくて周囲の人まで巻き込んでしまっていたそうなんですここで重要なのはこれが単なる気分の問題とかじゃなくて明確な脳内ネットワークの繋がり変化として起きている現象だってことなんですよ強いストレス状態では脳の中で恐怖や不安を司る扁桃体という領域が過剰に働き始めます言ってみれば脳内で命の危機だっていうアラームが桁玉しく鳴りっぱなしになっている状態です自分の中でアラームが鳴るまではわかるんですけどそれがどうして周りの人にまで伝染するんですか人間の脳って誰か一人がその扁桃体のアラームを鳴らしていると周囲の人の脳も無意識に近くに危険があるに違いないと判断して自分たちの扁桃体まで活性化させてしまう性質があるんですうわーそれは怖いですねリーダーのピリピリしたアセリがそのままチーム全員のサバイバルアラームを起動させちゃうわけですかそれじゃ疲弊して当然ですよねええまさにそれがニトロエンジンの限界なんですじゃあそのニトロエンジンじゃなくて持続可能なエネルギー源を見つけるにはどうすればいいのか人生の目的意識とネガティブな出来事からの心の回復力つまりレジリエンスとの関係を調べた研究なんですがアプローチがすごく面白くて世のため人のためという社会性の高い目的を持っている人と人生は偶然の繰り返しで特別な目的はないって感じている人を比較したんですよねで参加者にネガティブな刺激を与えてその後の感情の回復スピードを測定した人生の目的意識つまり世のため人のためという意識が高い人ほど落ち込むような出来事からの心の回復が圧倒的に早かったんですよすごく興味深いデータですよね困難に直面してもすぐに立ち直れるでも私がどうしても腑に落ちなかったのがなぜという部分なんです世のため人のためという大義を持つことってなんか哲学とか信念の話みたいな気がするんですそれがどうしてストレス反応からの回復スピードっていう具体的な反応を早めることにつながるんでしょうか素晴らしい疑問ですそこがまさに今回の深掘りの核心なんですよなぜ大義が扁桃体のアラームを止めるのか進化生物学的に見ると人間にとって最大の安全点つまり社会とつながりそこに貢献しているという状態なんですあーなるほど孤立することは大昔の環境だとそのまま死を意味していたからその通りです自分の孫徳ではなく他者や社会のために生きるという大義に意識を向けているとき脳は自分は共同体と強く結びついているという強力な安全信号を受け取るんです安全信号はいこの時情動や共感を処理する頭皮室という領域が活性化します頭皮室ですねもともと自分の内臓の感覚や痛みを処理する領域でしたその自分の痛みを感じる回路を転用して他者の痛みを感じる共感の回路へと進化させたんですよへーつまり自他の境界線を越えて社会全体とのつながりを感じている状態を意味しますそれが結果的に不安を司る扁桃体の働きを穏やかにしてストレスに対する強靭なレジリエンスを生み出していると考えられるんですよなるほどなぁこれとんでもない発見ですよねでここで岩崎一郎さんの実践の話に戻りたいんですが一郎さんはその後共同体思考という脳の使い方を身につけられたそうなんですそして自分でも不可能だと思っていることができる感覚が湧き上がってきたとおっしゃっています実は大義ある人生の目的に目覚める瞬間というのは脳科学でいう大歌い研と深く結びついているんです大自然の絶景とか満点の星空を見た時に感じるあの自分を超えた大きなものに対する異形の念ですよねええそれです一郎さんが大義を本気で語り続ける中で感じたのは不老状態だったと考えられます不老状態に入っていたはい脳内にはこの時自分自身の小さな悩みや不安に囚われるネットワークの活動が低下しますそして同時に脳のエネルギーレベルが高まってワクワクして自ら燃える状態を作り出していたわけですなるほど今日からあなたが語る言葉掲げる目的があなたの脳をそしてチームの脳をどう変化させるのかぜひご自身の現場で試してみてくださいそして脳磨き検定で現在地を知るのも素晴らしい一歩になるはずです
音声をもとに書き起こしています。