
脳内ネットワークは悪路でのサスペンション
この回の書き起こし
心の回復力が高い人の脳内では一体何が起きているのかを科学的に読み解きつつ、なぜ私たちが認知能力よりも先に非認知脳力を鍛えるべきなのか、その理由と実践方法をあなたと一緒に探求することです。
そもそも非認知脳力がなぜ重要なのかを知るためには、私たちがストレスとか認知的な課題に直面したとき、脳がどう反応しているかを知る必要がありますよね。はい、そうですね。
例えるなら、車が信号待ちのアイドリング状態から青信号になってアクセルを踏み込んだ瞬間に、エンジン内のギアの噛み合わせがぐっと強くなるようなものでしょうか。車の例えを使うなら、少し視点を変えてサスペンションをイメージしてみてください。サスペンションですか?
荒れた道に入った瞬間に内部のネットワークが瞬時に連携して、揺れを吸収するための繋がりを強めるようなイメージです。なるほど。道が険しくなった瞬間に内部の連携を変化させて対応するわけだ。
そういうことです。ここからがさらに面白くなってくるんですが、そのサスペンションの性能、つまりネットワークの繋がりの強さや反応の仕方は全員同じなのだろうかって疑問が湧いてきますよね。まさにそこです。
ここで今回のテーマである心の回復力という非認知的な要素が関わってくるわけですよね。研究チームは参加者のレジリエンスを失敗からどれくらい早く立ち直れるかといったストレスに対する心の強さを測るテストで事前に測っていました。なるほど。
その結果と先ほどの脳の切り替え時のデータを照らし合わせたわけですね。そうなんです。そうすると驚くべきことが分かりました。
レジリエンスが高い人、つまり心の回復力が高い人ほどタスクへの切り替え時のDMNの繋がりの増加が少なくネットワークが非常に安定的だったんです。え、増加が少ないんですか?はい。
逆にレジリエンスが低い人は切り替え時にネットワークが過剰に反応して繋がりが異常に強まる傾向がありました。ちょっと待ってください。私の理解が追いついているか確認させてください。
はい、どうぞ。回復力が高い人っていうのは困難や新しいタスクに対してよし、やってやるぞって脳をフル回転させてネットワークを爆発させて立ち向かっているのかと思いきや、実は逆なんですか?そうなんです。
実は全く逆なんです。レジリエンスが高い人は過剰に反応せず静かに省エネでスムーズに切り替わっている。先ほどのサスペンションの例えで言えば、高性能なサスペンションを持っている車はどんな悪路に入っても車体自体はガタガタ揺れず静かにスッと走り抜けていく。
逆に性能が低いとちょっとした段差で車全体が過剰に跳ね上がってしまうと。完璧な理解です。これまでの研究で脳内で危機を察知するアラームの役割を果たすサリエンスネットワーク、その一部である逃避室という領域もレジリエンスに関与していることが知られています。
逃避室、アラームの役割ってどういうことでしょう?レジリエンスが低い人は逃避室が少しのストレスでアラームを鳴らしてしまい、それに驚いたデフォルトモードネットワークがパニックを起こして過剰に反応してしまうんです。ああ、なるほど。
警報が鳴りすぎちゃうんですね。そうなんです。でもレジリエンスが高い人はアラームが適切にコントロールされているため、ネットワークが静かに安定して切り替わるメカニズムになっているんですよ。
なるほど。つまり、いくら最新の高性能なアプリ、これが認知能力だとして、それを頭にインストールしてもOSにあたる非認知脳力が不安定だとダメなんですね。ちょっと負荷がかかっただけでアラームが鳴り響いてシステム全体がフリーズしちゃうってことですよね。
まさにその状態です。世の中ではどうしても認知能力を鍛えることが大切だと思われがちですが、岩崎一郎さんが提唱されているように、実は非認知脳力を先に高めることが大切だという科学的な証拠がここにあるんです。
認知的な処理を行う際、土台となる非認知的な心の状態が安定していないと脳は本来のパフォーマンスを絶対に発揮できないわけですね。
はい。順番が逆だったんですよ。アプリを入れる前にまずOSを安定させろということです。
いやあ、不に落ちました。ではここからが一番聞きたいところなんですが、そのOSである非認知脳力、つまり過剰反応をしない高性能なサスペンションはどうすれば手に入るんですか?気になりますよね。
そこで解決策として登場するのが、岩崎一郎さんとクレアさんが提唱する脳磨き。これは特定の知識を詰め込むようなトレーニングではありません。そして単なる思考法でもないんです。
根本的な脳の使い方を身につけるためのアプローチなんですね。思考法ではなく脳の使い方、具体的にはどう違うんですか?思考法というのはポジティブに考えようといった意識の表面的なコントロールにすぎません。
しかし脳の使い方とは脳内ネットワークのつながり方そのものを最適化していくアプローチなんです。ネットワーク自体を最適化する。そのために最も重要なのが個分離思考から自分を超えたより広い視野を持つ共同体思考へと移行することです。
個分離思考、共同体思考、これが脳のネットワークとどう関係するんですか?一人で手探りで行うのは難しい部分があります。だからこそこれを体系的に身につけるためのツールとして世界初の非認知脳力検定である脳磨き検定というものが存在するんです。
脳磨き検定ですか?はい。これは単にペーパーテストで知識を問うものではありません。
自分が今個分離思考に傾いているのかそれとも共同体思考の脳の使い方ができているのかそれを客観的に把握し体験と振り返りという成長サイクルを回すための羅針盤になるものなんです。それは面白いですね。リスナーのあなたも自分の脳の成長サイクルを回す第一歩としてこの脳磨き検定に挑戦してみるのもすごく価値があるかもしれません。
おすすめですよ。自分では気づいていなかった新しい自分を目の当たりにするチャンスになるかもしれないですよね。自分の視点を少しなって高く広く持ってみる。
その瞬間あなたの脳内で過剰になり響いていたアラームがスッと鳴り止むはずです。そしてネットワークがどう静かに力強く変化していくかきっとあなたの隠された能力の扉が開く素晴らしい体験になるはずです。
音声をもとに書き起こしています。