
脳腐れを防ぐ最大の防御とは
この回の書き起こし
SNSにあふれる怒りの投稿が私たちの脳にもたらす危機と、そこから自分の脳を守るための画期的なアプローチについて深く掘り下げていきます。はい、よろしくお願いします。私たちのミッションは明確です。
この情報型で意図的に怒りを誘うコンテンツが蔓延する世界で、あなたがどうやって自分の脳を守り、さらに人生をダイナミックに好転させていくことができるのか、そのメカニズムを解き明かしていきましょう。そうですね。まず前提として、私たちが直面しているこの不快な現象って、すでに世界的なトレンドとして明確に言語化されているんです。
オックスフォード大学出版局の発表を見てみましょうか。彼らが選んだその年を象徴する言葉が、ズバリ、レイジベイトでしたよね。はい、そうです。
レイジベイトっていうのは直訳すると、怒りを誘う餌なんですよね。怒りの餌ですか。人々の怒りとか反発、不快感を引き起こすように、わざとアルゴリズムの特性を計算して作られたオンライン上のコンテンツのことなんです。
なるほど。意図的に作られているわけですね。そうなんです。
英紙ガーディアンも警告しているんですけど、プラットフォーム側は人々の注意を引きつけるために、この怒りという強い感情を徹底的に利用しているんです。つまり、人々はSNS上の怒りに釣られて操作されていると。ええ。
それでスクロールすればするほど怒りを感じて疲弊していく。完全に悪循環の構造ですよね。もちろんこれは右とか左とかの政治的な立場は一切関係なく、システムとしての現象です。
そこで私すごく不思議に思うことがあるんですよね。ニュースとかでもSNSの悪影響って散々言われているじゃないですか。はい。
よく耳にしますよね。みんな頭ではこんなの見てたら疲れるだけだって分かっているはずですよね。熱いストーブに触ったら火傷するって分かっているのに、なぜ自らその怒りの餌に食いついてしまうんでしょうか。
ああ、それは非常に鋭い疑問ですね。実はこれ人間の進化の過程で獲得した生存本能が深く関係しているんです。生存本能ですか。
はい。人間にとってポジティブな情報よりもネガティブな情報の方が重要だったんですよね。ああ、なるほど。
周囲の危機とか仲間の怒りみたいな脅威のシグナルですね。その通りです。それを素早く察知する方が生き残るために圧倒的に有利だったわけです。
レイジベイトっていうのはこの原始的な生存アラートをハッキングしているようなものなんですよ。そういうことか。生命の危機を知らせるアラームだと儲かせられているから無視したくても無視できないわけですね。
ええ、まさにそうです。てことはSNSで怒りの投稿を見るたびにずっとアラートを鳴らし続けている状態になるってことですか。ええ、まさにその通りです。
脳は今は非常事態だと錯覚してしまうんです。非常事態ですか。そうなると論理的な思考とか記憶、深い集中力を司る前頭前夜という脳の司令塔からエネルギーとか血流なんかのリソースが奪われてしまうんです。
うわあ、それは怖いですね。文字通り怒りの処理に脳のメモリを全部食いつぶされている状態じゃないですか。だからSNSをだらだら見た後は仕事とか勉強に全く集中できなくなるわけですね。
これは個人の意思の力でどうにかなるものではなくてシステム化された罠なんですよ。なるほど。だからこそこの絶え間ない怒りのループから抜け出して根本的に脳を防御する方法が必要になってくるわけですね。
ええ、おっしゃる通りです。じゃあ具体的にどうすればいいんでしょうか。スマートフォンを海に投げ捨てるわけにもいきませんしね。
さすがにそれは難しいですよね。ここで登場するのが脳磨き。この画期的なアプローチを提唱されているのは脳科学者岩崎一郎さんと岩崎クレアさんです。
脳磨き?なんだかすごく前向きな響きですけど、ただのリフレッシュ法とは違うんですか?ええ、全く違います。
脳全体をバランスよく使えるようになるための実践的なトレーニングであり、非認知脳力を高めていくプロセスなんですよ。まずは脳の使い方のパラダイムシフトについてお話ししましょうか。SNSの怒りに飲みこなれてレイジベイトに振り回されている状態というのは、古文理思考という脳の使い方に陥っている状態なんです。
古文理思考ですね。つまり、自分と他者を完全に切り離して、敵か味方か、勝つか負けるかっていう対立構造だけで世界を見てしまう脳の使い方ですよね。ええ、その通りです。
自分は悪くない、悪いのはあいつだっていう他責の念もそこから生まれるわけですね。はい、そういう対立の構図ってすごく刺激しやすいので、レイジベイトの格好の標的になってしまうんです。なるほど。
でも脳磨きを実践することで、これを共同体思考という全体を見渡す視野の広い脳の使い方へとシフトさせることができるんですよ。あ、ちょっと待ってください。私ここで点と点が繋がったというか、すごいことに気がついたかもしれません。
お、何でしょうか。何に気づきました?つまりこういうことですよね。
脳を磨いて共同体思考になれば、そもそも怒りの投稿を見た時の受け取り方そのものが変わるんじゃないですか。自分対あいつっていう古文理思考。
だからレイジベイトにイラッとするけど、全体を一つのコミュニティとして見る共同体思考の脳になれば、対立を煽るような投稿を見ても、なんでこの人はこんなに怒っているんだろうとか、背景に何があるんだろうって一歩引いて俯瞰できるようになるんじゃないかと。
素晴らしい洞察です。まさにそれがメカニズムなんですよ。だから怒りの感情にハイジャックされずにレイジベイトに引きつけられなくなる。
そういうことです。これ単なる防御策じゃなくて、脅威に対するセンサーの感度を再調整するようなものですよね。だからこそみんなで脳磨きをして、自分の脳を守ろうというメッセージが本当に重要なんです。
いやー最高の解決策ですね。次回あなたがスマートフォンを開いて、ふと画面に怒りを誘うようなレイジベイトを目にしたその瞬間、あなたの中の無意識領域では一体どんなリズムが鳴っているでしょうか。どんなリズムかですか。
ええ。不快なノイズに同調して、それとも共同体思考の視点から他者を勇気づける。その一瞬の自分の心への気づきこそが、あなたの脳磨きの最初の一歩になるかもしれません。
その問い、私も胸に深く刻んでおきます。なんだか次回スマホを見るのが少し楽しみになってきましたね。次回予告
音声をもとに書き起こしています。